会長あいさつ
防災・減災対策は「最優先かつ喫緊の課題」
「災害から護る。強い県土構築」へ
私ども「一般社団法人千葉県建設業協会」は、自然災害への防災・減災対策を最優先かつ喫緊の課題と捉え、国土強靭化に資する社会資本整備の重要性および緊急性を訴え続けており、「災害対応空白地域を作らない」ことを基本理念に、各地域で実施される水防訓練や防災訓練等へ積極的に参加し、自然災害への応動体制を強化しています。アフターコロナの時代を見据えて、自然災害発生時の復旧活動や、社会基盤の整備と維持管理などに取り組んでいくとともに、県民の安全・安心な生活を守り、快適な生活環境の醸成に向け、ボランティアによる道路をはじめとする公共空間の美化活動などにも積極的に努めております。
その一方で、ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ問題等による原油高に加え、円安の進行などが、資材価格の上昇を招き、公共工事を主な生業とするわれわれ地域建設業者を直撃しているのが実情です。特に入札価格と、実際の施工に当たっての実勢価格との乖離は、会員の経営存続にも関わる重大な課題であり、待ったなしの問題として、国や県をはじめとする公共工事発注機関に対し、スライド条項等適用の対応・改善を求めています。
これらと併せて、未来の担い手確保に向けた「働き方改革」は喫緊の課題であり、令和6年4月から始まった罰則付き時間外労働の上限規制への対応の推進とともに、いわゆる新3K(給与、休暇、希望)+K(かっこいい)の実現に向け、ICTの活用、DXによる生産性向上など、若者が希望を持ち、将来を託すことができる、魅力ある産業分野となるためにも業界として取り組んでいかなければなりません。
担い手の確保に向けてはまた、設計労務単価の引き上げや、休日がしっかり取れる週休二日制はもちろん、遠隔臨場による監督・検査や、受発注者間のASP方式による現場情報共有を通じた、一層の工事書類のさらなる標準化・簡素化による労働時間の短縮など、若者が入職したいと思う労働環境の改善にも対応していき、その広報活動等も積極的に展開し、サステナブルな業界となることを目指していきます。また、「発注関係事務の運用に関する指針」の、全ての公共工事発注者への周知徹底など、受発注者の双方で連携を深めていく必要があると思います。
地域建設業が、地域経済と雇用の下支えを担うとともに、最前線で災害対応に当たるなど、県土の保全と住民の安全・安心を守る「地域の守り手」として活動できるようにするためには、その経営存続のため「安定的かつ継続的な公共事業予算の確保」は大前提であり、活力ある地方創生のため、地方の公共事業予算の重点配分が必要であります。
国土強靭化対策については、当初予算で特別枠での増額を実施し、さらに充実した計画および予算措置を訴え続けていきます。
社会インフラの整備は、自然災害から人命や財産を守る視点からはまだまだ不充分であり、言うまでもなく今後も必要不可欠な事業であるとの声を上げていく所存です。
本協会ではこれら国や県に対する要望活動を強化するとともに、これまで培ってきた知識や経験を生かし、誠実できめ細かい施工や、地震・台風等の自然災害発生時の緊急配備体制などを一層充実させ、地域の行政や住民から信頼される建設業に携わる者として、今後も国や県、各自治体など関係機関と連携し、「災害から護る。強い県土構築」の実現に向けた活動を続けていく所存です。